【厚労省が新通知】“マイクロ法人による社保節税”にメス? 個人事業主が今知っておくべきポイント

令和8年3月、厚生労働省より「法人役員である個人事業主等の社会保険加入」に関する新たな通知が公表されました。

近年、個人事業主やフリーランスの間で広がっていた「いわゆる国保逃れ」について、国が実態確認を強化する方向性を明確に示した形となります。

SNSやYouTubeなどで、

  • 「社会保険料を安くできる」
  • 「国保より圧倒的に得」
  • 「役員になるだけでOK」

といった情報を目にした方も多いのではないでしょうか。

しかし今回の通知では、“形式だけの役員”による社会保険加入について、
厳しく判断する姿勢が打ち出されています。

法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000190457_00024.html


※ 本記事は、一般的な内容をもとに税務の考え方を解説しています。
実際の税務判断は、事業内容や状況によって結論が変わることがあります。
本記事は情報整理としてご活用いただき、
「自分の場合はどう判断すべきか?」という視点で読み進めてみてください。

1. 厚労省が問題視しているケースとは?

今回特に問題視されたのは、

・個人事業主が別法人の役員になる
・役員報酬を極端に低額に設定する
・社会保険へ加入する
・一方で法人へ「会費」等を支払う

といったスキームです。

厚労省は、「実際には法人に使用されている実態がない可能性がある」と明記しています。

つまり、“社会保険加入のためだけの名義役員”については、
今後否認されるリスクが高まる可能性があります。

2. 「マイクロ法人=違法」ではありません

一方で、今回の通知は「マイクロ法人そのもの」を否定したわけではありません。

例えば、

  • 法人として実際に事業を行っている
  • 継続的な業務実態がある
  • 経営判断に関与している
  • 適正な役員報酬を受けている

など、“実態ある法人運営”であれば、従来どおり社会保険加入が認められる余地は十分あります。

つまり今回の本質は、

「節税目的かどうか」ではなく、「本当に経営参加しているか」を重視するという点にあります。

3. 今後は“実態確認”が重要な時代へ

今後は、

  • 出勤状況
  • 業務内容
  • 決裁権の有無
  • 指揮監督の実態
  • 会議参加状況
  • 会費等の支払い内容

などを総合的に確認される可能性があります。

特に、

・毎月数万円の会費を払えば社保加入できる
・実態がほとんどない
・役員業務が曖昧

といったスキームについては、注意が必要です。

4. 法人化は“税金だけ”で判断しないことが大切です

法人化には、

  • 節税
  • 社会保険
  • 将来の年金
  • 資金繰り
  • 信用力
  • 役員報酬設計

など、多くの論点があります。

単純に「保険料が安くなる」という理由だけで進めてしまうと、後から思わぬリスクにつながるケースも少なくありません。

5. よくある質問

マイクロ法人を作ると、もう社会保険には入れなくなるのでしょうか?

いいえ。
今回の通知は「マイクロ法人そのもの」を禁止する内容ではありません。

実際に法人として事業を行い、

  • 経営に関与している
  • 継続的な業務実態がある
  • 適正な役員報酬を受けている

など、実態が伴っていれば、従来どおり社会保険加入が認められる可能性があります。

今回、特に問題視されているのはどんなケースですか?

厚労省が問題視しているのは、

  • 社会保険加入だけを目的に役員になる
  • 役員報酬より高い「会費」を法人へ支払う
  • 実際には経営参加していない

といった“名義だけの役員”です。

特に、SNS等で広がった「格安で社保加入できる」といったスキームは、今後注意が必要と考えられます。

一人会社でも否認される可能性はありますか?

あります。

例えば、

  • 売上実態がほとんどない
  • 法人業務を行っていない
  • 役員業務の説明ができない

などの場合は、社会保険加入が否認される可能性があります。

今後は「法人が存在すること」ではなく、「実際に事業運営しているか」が重視される流れです。

年金事務所はどこを確認するのでしょうか?

今後は、

  • 出勤実態
  • 業務内容
  • 決裁権の有無
  • 会議参加状況
  • 指揮監督の実態
  • 会費や関連法人への支払い

などを総合的に確認される可能性があります。

“形式だけ整える”のではなく、“説明できる実態”が重要になります。

一人で法人化を検討しています。今でもメリットはありますか?

はい。
法人化には今でも、

  • 節税
  • 社会保険設計
  • 退職金活用
  • 信用力向上
  • 資金調達

など多くのメリットがあります。

ただし、利益水準や事業内容によって最適解は異なるため、「なんとなく法人化する」のではなく、税務・社会保険を含めて総合的に判断することが大切です。

6. まとめ

マイクロ法人の活用は、現在でも有効なケースがあります。

ただし、今後はこれまで以上に「実態整備」が重要になります。

  • 法人化した方がよいのか
  • 個人事業のままが有利なのか
  • 社会保険とのバランスをどう考えるべきか

は、事業内容や利益水準によって大きく変わります。

せがわ会計事務所では、法人化シミュレーションや社会保険を含めた最適な設計をご提案しております。

「自分の場合はどうなる?」
という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

今回の内容は、制度を知るだけでなく、
ご自身の事業や今後の方針を踏まえた
「判断」が求められるテーマです。
ネットの情報だけでは結論が出にくい場合や、
判断の方向性を一度整理しておきたい場合には、
税務顧問としてどのようなサポートが受けられるのかを
確認しておくことも、一つの選択肢になります。

せがわ会計事務所では法人特化型の会計事務所として、
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SEGAWA

今回の厚生労働省の通知は、「マイクロ法人=否認」という単純な話ではなく、“実態を伴った経営かどうか”を重視する流れがより明確になったものと感じています。
近年はSNSや動画などで、「簡単に社会保険料を下げられる」といった情報を目にする機会も増えました。
しかし、制度には必ず趣旨があり、形式だけを整えた運用は、今後ますます通用しにくくなるでしょう。
一方で、法人化そのものには、節税・社会保険・資金繰り・将来設計など、多くのメリットがあることも事実です。
大切なのは、税金や社保が安くなるではなく、“自分に合った形で正しく活用すること”だと考えています。

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