要注意!時間制限駐車区間の領収書にインボイス番号がない理由とは?

目次

1-1. インボイス制度とは?

インボイス制度は、2023年10月から日本で導入された新しい消費税制度です。
企業は取引ごとにインボイス(適格請求書)を発行し、その番号を記載することで消費税の仕入控除を受けることができます。
時間貸し駐車料金を利用する際、その領収書にインボイス番号が入っていれば消費税の仕入控除を受けられるという事になります。

1-2. 時間制限駐車区間の基本的な仕組み

時間貸し駐車料金の中でも時間制限駐車区間とは、特定の時間帯に限り短時間の駐車が許可される
道路区間を指します。(都心部の路上に多いですね。)
道路標識や表示により指定されており、例えば30分や1時間といった短時間だけ駐車が認められる場合があります。
このような区間は、交通の円滑化や駐車スペースの効率的な利用を目的としています。
利用時には、パーキング・メーターやチケット発行機を使用し、定められた手数料を支払うことで駐車が可能となります。

2-1. 時間制限駐車区間を利用した場合の消費税区分

コインパーキングなどの時間貸し駐車料金は消費税の対象となり、その領収書にインボイス番号が入っていれば消費税の仕入控除を受けることができます。
しかし、時間制限駐車区間(=パーキング・チケット)の消費税区分は、非課税取引に分類されます。
これは、時間制限駐車区間の利用が警察手数料に該当するためです。

2-2. 非課税取引となる理由

パーキング・チケットが非課税取引となる理由は、その利用が警察手数料に該当し、消費税法上は国や地方公共団体が行う役務の提供が非課税となるためです。
具体的には、パーキング・メーターの作動手数料やチケットの発給手数料は、警察手数料として扱われ、
そもそも消費税がかかりません。
これは、市役所での住民票発行などが非課税取引であるのと同様です。

2-3. 消費税法基本通達6-5-1の解説

消費税法基本通達6-5-1は、国や地方公共団体が提供する手数料に関する規定です。
これによれば、警察手数料や住民票発行手数料などは非課税取引とされます。

この通達に基づき、パーキング・チケットも非課税取引として扱われ、インボイス登録番号が記載されていない場合でも適切な会計処理が必要です。

3-1. 会計処理の基本ルール

パーキング・チケットの会計処理は、非課税取引となります。
領収書にインボイス登録番号が記載されていない場合でも、課税取引として処理するのではなく非課税取引として処理することが必要です。
具体的には、
 (借方)租税公課ー非課税仕入 / (貸方)現金   として処理します。

3-2. 実務での具体例

・営業先訪問時にパーキング・チケットを利用した場合
営業先訪問の際に利用する時間貸し駐車場のパーキング・チケットは、消費税の非課税取引として租税公課勘定で処理します。
そのため、領収書にインボイス登録番号がなくても問題ありません。
(借方)租税公課ー非課税仕入 / (貸方)現金   

3-3. よくある質問とその対応方法

パーキング・チケットを利用した場合、領収書にインボイス登録番号がないので10%経過措置の消費税区分で処理してよいか?というご質問をよく受けます。
第2章でご説明したように、パーキング・チケットはあくまで警察手数料であるため消費税の課税取引として処理せず、非課税取引として処理していただくことになります。

ひとくちに時間貸し駐車料金といっても、コインパーキングのインボイス有無、パーキング・チケットと
利用場所に応じて消費税区分を適正に処理する必要があります。
駐車料金だからといって、必ず消費税の課税取引になる訳ではないので十分注意してください。

せがわ会計事務所は、千葉県成田市で主に会社設立・法人運営に特化している税理士事務所です。
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SEGAWA

パーキング・チケットの消費税区分誤りは、事務上も多い事例です。逆に言うと、これをしっかり処理しておくと税務調査の現場でも担当官によい心象を与えられ、『お!ここの会社は他の取引もしっかりやってるだろうな!』と思ってもらい税務調査がスムーズにすすむ….カモです(笑)

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