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防衛特別法人税とは?2026年4月施行で企業に広がる負担増| 知らないと損する新税解説

第1章 防衛特別法人税の基本を押さえる
2026年4月から始まる防衛特別法人税。
聞き慣れない言葉に「うちの会社も対象?」と不安になる方も多いでしょう。
実は、大企業だけでなく中小企業も対象となる新しい法人税です。
まずは制度の背景や適用範囲を押さえ、自社にどう関係するのかを理解することが安心の第一歩です。
1-1. 創設の背景と目的
防衛特別法人税は、令和7年の税制改正で創設されました。
背景には、防衛力強化のための安定的な財源確保があります。
仕組みはシンプルで、法人税額に対して追加で一定割合を上乗せする方式です。
税理士として強調したいのは「当分の間」継続する点。
短期の増税ではなく、長期的に資金繰りや利益計画に影響を与えることを理解しましょう。
1-2. 課税対象となる法人とは?
対象は、各事業年度の所得に対して法人税を課されるすべての法人です。
株式会社や合同会社はもちろん、協同組合や一部の社団も含まれます。
「利益が少ないから関係ない」と思いがちですが、原則として中小企業も例外ではありません。
ただし基礎控除500万円があるため、税負担は規模に応じて差が出ます。
1-3. 施行時期と適用範囲
施行は2026年4月1日以後に開始する事業年度から。
3月決算なら2027年3月期、4月決算なら2027年4月期から影響を受けます。
公益法人などの収益事業を行っていない団体は対象外ですが、ほとんどの法人に関わる制度です。
第2章 防衛特別法人税の計算方法を徹底解説
制度を理解した次の関心事は「いくら負担が増えるのか?」でしょう。
計算式はシンプルですが、シミュレーションを通じて確認することが大切です。
ここでは課税標準や控除の仕組みを整理し、具体的な事例でシミュレーションを行います。
2-1. 課税標準法人税額と基礎控除500万円
計算の基礎は「課税標準法人税額」です。
これは法人税額から年額500万円の基礎控除を引いた金額です。
グループ法人は控除を按分する仕組みで、公平性が保たれています。
基礎控除があることで、小規模法人の負担は軽減されますが、黒字規模の大きい企業にはしっかりと追加負担が課されます。
2-2. 税率4%でいくら増える?
防衛特別法人税は「課税標準法人税額 × 4%」で計算されます。
例として、法人税額1,000万円の会社は基礎控除500万円を差し引いた課税標準500万円に4%をかけて20万円の負担増。一方で法人税額400万円なら基礎控除の範囲内で課税標準は0となり、追加負担は発生しません。シミュレーションを行うことで、自社の影響度を具体的に把握できます。
2-3. 外国税額控除など使える控除
防衛特別法人税でも税額控除が認められています。
代表的なのは外国税額控除で、法人税や地方法人税で引ききれなかった部分を差し引けます。
その他、分配時調整外国税相当額の控除なども存在し、海外取引のある企業は特に重要です。
控除の適用を正しく理解することで、不要な税負担を避けられます。
第3章 申告・納付の流れと実務への影響
計算ができても、申告を誤ればペナルティのリスクがあります。
防衛特別法人税は法人税と一体で申告するため、申告期限や様式の変更を正しく理解しておくことが重要です。
3-1. 確定申告の提出期限と記載方法
申告期限は事業年度終了日の翌日から2か月以内です。
法人税と同じスケジュールですが、防衛特別法人税が0円でも必ず申告が必要です。
専用様式「別表一次葉一」が導入され、法人税の申告書と一緒に提出します。
利益が少ない企業でも「0円申告」を怠るとペナルティの恐れがあるため注意が必要です。
3-2. 中間申告と様式変更
2027年4月以降に開始する事業年度からは、中間申告も義務化されます。
法人税の中間申告をする企業は、防衛特別法人税についても中間申告を行わなければなりません。
また申告書の様式は法人税と連動し、新設欄に記載が必要です。
中小企業にとっては実務負担が増える可能性があるため、税理士のサポートが欠かせません。
3-3. 中小企業が今から備えるべき対策
防衛特別法人税は追加の法人税であり、資金繰りや経営判断に直結します。
中小企業にとっては「負担は小さくても業務は増える」点が見落としがちです。
今からできる備えは、①影響額の試算、②申告業務の効率化、③資金繰りへの反映です。
制度開始前に準備することで安心感が生まれます。
🔚 まとめ|
防衛特別法人税は2026年4月から始まる新しい制度で、大企業から中小企業まで広く影響します。
負担額は企業ごとに異なり、0円でも申告義務がある点は大きな注意点です。
経営者に求められるのは「早めの理解と備え」。
シミュレーションを通じて影響度を把握し、資金繰りや申告体制を整えることが重要です。
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せがわ会計事務所は、千葉県成田市で主に会社設立・法人運営に特化している税理士事務所です。
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防衛特別法人税は、利益の大きい法人に対する増税策です。
具体的には、単独で毎期2,400万円以上の利益を計上している法人 が対象となります。
このため、対象となる企業にとっては、分社化してホールディングス経営を行うことで、節税メリットが大きくなる可能性があります。
一方で、対象外の企業であっても、防衛特別法人税の申告書自体は提出義務があるため、事務負担が増える点にはご注意くださいね。