社長のスーツ代は経費として認められるのか?

今回は税理士が聞かれる質問として長年上位にあがるテーマです。
『ネットではOKという記事を見ましたよ?』という声もあるようですね(笑)。
結論から言うと、原則は経費として認められません!
税理士へ相談せずに経費にしてしまうと税務調査でほぼ間違いなく指摘を受けます。
今回はなぜ社長のスーツ代が経費として認められないかを解説し、具体的な事例を交えてお届けします。

目次

1. スーツ代・かばん代・靴代

会社で負担した社長のスーツ代・かばん代・靴代は、原則として会社の経費にできません。
なぜなら、これらのアイテムは社長のプライベートでも使用可能であるためです。
たとえプレゼン用に購入してそれ以外は使用していない…といっても証明できませんし、今後はプライベートで使用できる可能性がある以上、否認されます。
どうしても経費として処理したい場合は、会社名やロゴが入った商品を特注し、かつ会社で保管・管理している場合には経費として認められる可能性はありますが、、、ちょっと現実的ではないですね(笑)

2.作業服や制服

一方で、会社が負担した従業員の建設現場作業服や事務職制服など、現場や社内のみで使用しプライベートで使用しないものは経費として認められます。

3.(番外編) 個人の所得税の経費として申請できる場合

上述のとおり、スーツ代は会社の経費にはなりませんが、個人で支払った分について節税につながる可能性はあります。
個人で支払った1年分のスーツ代を「特定支出控除」として個人の所得税の経費として申請できます。
ただし、この制度を利用するためには年間で多額の支出が必要となりますので、現実的には適用が難しいです。
(会社の承認など、非常に手続きが面倒です。)

それでは、実務上よくある事例を見てみましょう。

社長がクライアントとのミーティング用に購入した高級スーツ代を経費として申請しました。
ところが、3年後の税務調査で領収書を発見され、ミーティング用と説明したところ全額否認されました。
これによりスーツ代は役員賞与として扱われ、会社と個人双方の税負担が増加しました。
結局、経費として申請するよりも高くついてしまった…という結果になりました。
事前に税理士へ相談すれば避けられる事例ですね。

なぜスーツ代は会社の経費になると噂されるのでしょうか?
個人的な見解ですが、税務調査で調査官が見過ごすこともあるため、たまたま指摘されなかったというだけです。
(他に多額の否認事実があり調査官が温情で見逃してくれた…ということもあると思います。)

市販のスーツ代が経費に上がっていると、税務調査でほぼ間違いなく否認されます。
法人税法上の経費として認められるのは、事業に関係するもののみです。
偶然の事例を鵜吞みにせず、税務リスクを回避するためにも適切な経費計上を心がけましょう。
それが強い会社を作るための基本中の基本です!

せがわ会計事務所は、千葉県成田市で主に会社設立・法人運営に特化している事務所です。
経験豊富な税理士がパートナーとしてクライアント様をサポートさせていただきますので、
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